本日は、赤沢が事務局次長を務める「環境と古紙配合問題に関するワーキングチーム」(古紙WT)の宮城県石巻市における現地調査(チップ工場と製紙工場)の当日である。
7:56東京駅発9:37仙台駅着(はやて5号)
9:50〜10:50バス移動
10:50〜11:15だるまチップ工業(株)工場
丸太の皮を剥き砕いてチップにする一連の工程をすべて自動的に行う機械を見学した。
11:15〜11:35チップ船岸壁・ヤード
チリとの間を片道30日(1サイクル70日)かけてチリの植林広葉樹チップをピストン輸送している5万トンのチップ船(「シルヴィ・カルチャー号」)が接岸し、積荷の木材チップをベルトコンベヤーで下ろしているところを見せてもらった。チップヤードのチップの山はまさに山と呼ぶにふさわしく、大型ブルドーザーがチップの山の斜面に張り付いてチップを押し上げて山の形を整えていた。山の1辺が大型ブルドーザー10台分の長さほどもありそうであった。しかしながら、毎月10万トンの紙を製造する日本製紙にとっては、5万トンの船1隻分のチップは10日間操業すれば無くなってしまうとのことであった。
11:35〜12:10昼食
日本製紙の敷地内の会議室で箱弁当をいただきながら、パルプ材の利用状況についておさらいした。我が国のパルプ材の1年間の消費量は1,936万トン、そのうち約7割が広葉樹(国産広葉樹8%、輸入広葉樹59%)、約3割が針葉樹(国産針葉樹20%、輸入針葉樹13%)である。針葉樹で作られる紙は、太く長い繊維が絡み合い、強度面に優れるが、紙表面の滑らかさに劣る(袋など強度を要する紙用)。一方、広葉樹で作られる紙は、狭く短い繊維が絡み合い、紙表面の滑らかさに優れるが、強度面で劣る(コピー用紙など滑らかさを要する紙用)。
我が国の紙全体の1年間の生産量は1,919万トン、そのうち、針葉樹を中心に利用する紙(袋類)の生産量は479万トン(全体の25%)、広葉樹を中心に利用する紙(コピー用紙など)のそれは1,167万トン(同61%)、針葉樹、広葉樹ともに利用する紙(トイレットペーパーなど)のそれは273万トン(同14%)である。
チップ原料は製材残材が主体で(全体量の63%)、そのほかは製材等に利用できなかった製材不適用材(曲がり材、小径木等)(同27%)、家屋解体材(同10%)などであるので、国産針葉樹チップの利用の増加には製材生産の増加が不可欠ということになる。
製材用、合板用、パルプ用の木材価格を比較すれば、1立方メートル当たり1万3千円、1万円、5千円となっており、パルプ用は製材用の約3分の1、合板用の約2分の1の価格で取り引きされるため、最も木材の付加価値を生かす利用法は、最も良質な木材を製材用に利用し、次に良いものは合板用に、そして曲がり材や小径木等の低質材はパルプ材に利活用するなど、木材の質に応じて多段階で利用することが不可欠である。
言い換えれば、間伐材利用を最も効果的かつ経済的に推進させるためには、製材、合板、パルプ等の木材産業が一体となり、多段階で最大限に活用するシステムを作ることが是非とも必要であるということになる。
12:10〜13:15日本製紙(株)石巻工場

チップ受入設備、構内チップヤード(国内針葉樹)、パルプ製造設備(KP)、古紙ヤード、パルプ配合工程、抄紙機(7号・8号マシン)の順で見学した。
パルプには、機械パルプ(MP)、化学パルプ(CP)、古紙パルプ(DIP)の3種類があり、それぞれ用途が異なる。機械パルプは、木材をすりつぶして作るため、木材繊維を固めているリグニンを大量に含み時間が経つと変色する。化学パルプは、硫酸塩などの薬品や熱で木材を分解・分離して作るため、リグニンは含まれず、しなやかで強度のあるコピー用紙などになる。古紙パルプは、古紙を水に溶かして、機械的な力や薬品で脱墨して作るが、完全に白くはならず新聞紙などになる。
日本製紙石巻工場は、上記3種類すべてのパルプ設備に加えて、化学パルプの製造過程で出てきたリグニン、樹脂成分、薬品などを濃縮した黒液などを燃料とするバイオマスボイラーや発電設備を保有している。
最後に、希望して最新の抄紙機である6号マシンを見学した。同マシンはフィンランドのメッツォ社製の最新鋭機械で、6号マシンの全長が295メートルあり、幅8.4メートルの紙を毎分1,800メートル製造できると聞いて驚いた。工場内には、現在毎分何メートルの紙を製造しているかを示す電光掲示板が設置されており、毎分1,536メートルと表示されていた。
6号マシンが紙を製造する工程は、大まかに言えば、幅9メートルのワイヤーと呼ばれる平らなベルトにパルプをまんべんなくはりつけ、それをもう1本の同じ幅のベルトで物理的に押して水分を50%しぼり、その後、パルプのはりつけたワイヤーを、何本もの巨大な高温のドラムに巻きつけて乾燥するということである。乾燥工程においては、インクの乗りをよくしたり、光沢を出すため、パルプの表面にでんぷんを塗ったり、コーティングを施したりする。
13:15〜14:00質疑応答
日本製紙、だるまチップ工業ともに、合理的な価格と安定的な供給の2つのニーズが満たされるのであれば国産材の利用を拡大したいとのことであったのでまことに心強い。昨今の中国やインドの木材需要の高まりにより、これまで低廉な価格で国内に流れ込んできていたロシア材や東南アジアで違法伐採された木材などの価格が上昇傾向にあるため、現在、価格的には国産材が輸入材に対抗できる状況が生れつつある。今後の課題である安定供給を実現するため、官民が一体となった取り組みを推進する必要がある。
14:00〜15:00バス移動
15:26仙台駅発17:08東京駅着(はやて・こまち18号)
18:10〜18:50電話
赤沢と同い年で中学から大学まで同じ学校に通った仲良しの冨山和彦経営共創基盤CEO(元産業再生機構代表取締役COO)と産業再生機構及び地域力再生機構法案について電話で意見交換した。いつもながら経営及び企業再生のプロフェッショナルの話しは示唆に富み大いに啓発された。明日の内閣委員会における質疑にも大いに良い影響が期待できる。
19:50〜20:10地域力再生機構法案に関する追加質問通告
明日(16日(金))朝一番の内閣委員会における地域力再生機構法案に関する質疑について、2つの追加質問を内閣府に通告した。
その後、深夜まで地域力再生機構法案の勉強を続けた。明日の内閣委員会における同法案の質疑を頑張るぞ!
(平成20年5月17日 0:45 記載)
